昨日は、脱ひきこもりして約10年経った現在を振り返って、なんかエエ感じのことを書きたいと思っていたのだが、そんなことよりも、たったの10年で時代が大きく変わったことに驚いてしまい、スマホがどうとかウェアラブル端末がどうとか、書き出してしまった。
言いたかったことは、それじゃない。大学⇒就職⇒結婚⇒海外赴任を経た今の自分の立場から、10年前の自分に言いたいことである。
言いたいことはたくさんあるが、とりあえず一つ。
膨大な数の人がいる＝それだけの人生があるということ
一言でいうと、上記見出しのことである。10年前のぼくはコレを聞いても、"いやいや、世の中に人がいっぱいいるのは、当たり前だろう"とか思わないかもしれない。しかし、この真の意味はよく理解していないだろう。これは、生きる上で重要な事実の１つである。
たった一人の人間でも複雑多様であること
脱ひきこもりしてから、バイト先や大学や就職先などで、たくさんの人と出会った。そりぁ、やっぱ嫌なヤツもいたし、バカなヤツもいたし、頭の良いヤツもいたし、優しいヤツもいた。
その上でさらに、たった1人の人間に対しても、この瞬間だけ頭ええやん、と思うことがあれば、あっバカだと思う瞬間もある。1人の人間とは複雑多様なものであり、簡単な概念でカテゴライズできないものだから、一刀両断できるものではない。
そんな多様な側面や価値観を抱く人間が、多様な在り方をしながら、めちゃくちゃたくさん、はいて捨てるほど？、世の中で生きている。
ネットの世界は単純化される
改めてやっぱり当たり前のことを言っている気がするが、この事実をちゃんと認識できているだろうか。かくいう、ひきこもってた頃のぼくは、他人と世の中に対してかなり偏狭な考え方をしていたと思う。なんせ人間との関わりは、ネット上しかなかったからだ。
ネットには恐ろしい面もある。ネットでは欲しい情報を検索しているから、能動的に情報を取集しているように思いがちだ。しかし反対に言えば、欲しい情報を得るために、他の情報を無価値なものとして切り捨てているとも考えられる。
しかし世の中で生きる上では、切り捨てられた情報あるいは行間のようなものの方が重要だったりする。あるいは少なくとも、切り捨てられた情報が膨大にあるということは、よく理解した方が良い。
良い例が思い浮かばないが、例えばSNSで、とある人がモラル違反"と思われる"ことをしてしまうと、必要以上にバッシングを受ける。しかし、そもそもぼくたちには他人を断罪する権限などないことはもちろんであるが、万が一そんな権限があったとしても、ぼくたちはネットの情報だけで他人の何をジャッジできるのか。
ネットで得られる情報は、ふるいにかけられて最終的に残った小さな石ころだけ。しかし自分がその情報を得るまでに、切り捨てられた膨大な情報がある。にもかかわらず、これは大きな岩で全体像をみたと思い込んでいる。
そんなネットばかり徘徊していると、次第に凝り固まった価値観を抱くようになる。よくあるものでは、早慶以下は行く意味ないとか。何年も浪人すると就職は無理ゲーとか。これを真に受けて怯えてしまう。ほんとバカ。ちょっとでも外に出て人間関係ある人なら、大爆笑。あるいは、ドン引き。んなわけ、あるかー！って。
実際の世の中は単純じゃない
回りくどい言い方になったが、実際の世の中はネットでいう切り捨てられた情報の海原みたいなもので、そんな単純化された人々なんていない。色々な人がいる。いわゆるFラン大卒の人の方が、世の中には圧倒的にたくさんいて、大部分の人が普通に生きている。何より多くの人が学歴なんてそれほど気にしていない事実がある。
年齢も、実はそれほど大きな問題じゃない。いわゆる一般的な人生のレールから外れている人など、めちゃくちゃたくさんいる。でも、元気に生きている。
まとめ
ネットの情報だけをみていると、長い空白期間があるのに何かを始めるのは遅すぎると思うかもしれない。しかし世の中には、様々な人が、様々なタイミング、様々なことをして生きている。確かに厳しいことを言ってくるバカもいるだろう。しかし世の中の大部分の人は、彼らの言っていることは信じない。だから、それほど恐れる必要はない。
こんな自分でも住める世界は必ずある。たまたま合わない世界に入り込んでしまうこともあるだろう。しかし受け入れてくれる世界は、どこかにあることを忘れないでほしい。
例えば学校でイジめられている。世の中はたったの十数人のクラスだけで構成されているわけじゃない。学べる場所は、学校だけじゃない。
親が毒親である。今の家族だけが、自分の家族ではない。いつか恋人ができて結婚して、新しい家庭を築ける。ここが自分の世界だとは思わないでほしい。
だから、一歩踏み出す勇気を持ってほしい。うーん、あまり説得的ではないな。
