しげログ

元ひきこもりなのにヨーロッパで生活している元ひきこもリーマン

毎日がつまらないのでバルセロナへ行ってきた

 

 窓外を眺めると、太陽光を反射した海原に、小さく浮かんだ数隻のコンテナ船が、ゆっくりと右から左へ流れていた。高度を徐々に下げていくごとに、窓外を流れる景色の移り変わりも早くなっていく。やがて大量のコンテナが山積みされたコンテナヤードが現れては足早に去っていたと思った瞬間、身体がごとんと大きく揺れた。スペイン本土は初上陸であった。

 

 EU圏内の航行であったから入国審査はない。それに1泊2日の旅行だから預入荷物もない。だから機内から降り立ってから到着ゲートを出るまで、ほぼ立ち止まることはなかった。そして旅行をしていて、最も旅情を感じる瞬間の一つが、空港から出るときである。どこの国でも似たような設備の空港内を通り抜け、出入口の自動ドアが開き異国地の地へ踏み出すと、感じ慣れない匂いと湿度と音がドッと五感を刺激する。この瞬間が最も記憶に残るのは、ぼくだけだろうか。今でも6年前に初めてシンガポール空港を出た瞬間の湿度、昨年にマヨルカ空港から出た瞬間の空気の匂いは鮮明に覚えている。

 もっとも、ここバルセロナでは空港内直結のメトロにすぐに乗り込み、約1時間も無機質な電車で移動したため、ゆっくりと五感が適応していったのだろう、そうした劇的な瞬間は訪れなかった。市内に到着して地上に出てきた瞬間も、あまり覚えていない。

 

 自分の中でのバルセロナといえば、最初に想起されるのはサグラダファミリアである。そしてサグラダファミリアといえば、ガウディ・・・ではなく、水曜どうでしょうである。約18年前に水曜どうでしょう班が降り立った地に、ぼくも立てるのである。二重の感動が、そこにはあった。

 

 

 

 ブケリア市場もまた、最もスペインを感じさせるロケーションであった。魚や肉やスパイスが所狭しと陳列されているだけなく、夏祭りの屋台のように、それぞれのブースで食べ歩きもできた。ヨーロッパの料理は色々と食べてきたと思うが、スペイン料理が最も美味いという点において妻とも合意した。

 

 

 

 他にもガウディが建築した建造物や、世界遺産の公園などにもいったが、土日ということもあり、人がごった返していて、しんどかった。