しげログ

元ひきこもりなのにヨーロッパで生活している元ひきこもリーマン

就活における学歴偏重は割と合理的でフェアである

 

 就活の場において、学歴はやはり非常に重要なファクターだと思う。だって採用する側からして、学歴ってわかりやすいもんね。留学・サークル・ボランティア・部活などの経験面をPRしても、いくらでも取り繕うことができるし嘘もつける。学歴とは性質がちょっと違う。

 

留学等の経験は"自分の好きなこと"でしかない。

 

 だいたい留学やサークルやボランティアなどの経験は、しょせんは自分が好きで選んで、進んでやったことでしかない。

 

 これらの経験を通して、血反吐はく思いで頑張りましたって言われたところで、"そりゃ自分が好きでやったことなんだから、それくらい努力できるのは割と当たり前だよね"ってしか思わない。もちろん、ぶっ飛んだ確固たる実績があるなら別だけど。

 

好きなことで頑張った経験の無駄さ

 

 そして当たり前だけど、会社で働いたら"自分の好きなこと"なんてほぼ出来ないと言って良い。仮に好きなことに関わる部署に配属になったところで、そればかり出来るわけではない。抱いている理想とは、ほど遠いだろう。この辺りをアピールする人の不安要素は、ソコなのである。

 

 これはぼくの偏狭な経験則に過ぎないと前置きはしておくが、学生時代に自分の好きなことに打ち込んできた人は、頭ん中がお花畑な理想主義者が多い気がする。自分が楽しいと思えそうなことには異常にガッツつくが、その範疇からはみ出る業務をするとなると、"こんなことは自分がする仕事ではないっ"と逃避的な言動を行う。その有様は、少し大げさかもしれないが、まるで躁鬱的であり、まるでお子ちゃまなのである。

 

大学受験の性質

 

 一方で学歴は、大学という名の一般社会が、一方的かつ理不尽にも突き付けてくる関門である受験を突破しないと得ることができない。

 

 これを馬鹿らしいとは思いながらも、試験要綱に目を通して、求められるレベルと自分の今現在のレベルを推し量って、そのギャップを埋めるために、段階的な目標設定を行い、つまらないタスクの中に自分なりに達成感などを見出しつつ、淡々と努力しないといけない。

 

大学受験と業務の類似性

 

 そして社会人になって数年が経つ今現在おもうことは、会社で行う業務は、大学受験と非常に似ているということである。

 

 特に"馬鹿らしいと思いながらも、自分を鼓舞して淡々と努力しないといけない"というところが味噌であり、自分の好きなことに打ち込んできた人が決定的に弱いところはソコなのである。

 

社会と自我との折り合いのつけ方

 

 社会で生きるということは、社会と自分との折り合いの連続である。つまり、"社会から求められていること"という要素と、"自分がどう在りたいか"という要素のバランスである。

 

 例えば、ある"アホらしっ"と思うことがあったとして、そこで自分なりに受け入れ、やれることをやっていこうと思うのか、あるいはあまりにもアホらしすぎて合わせるのが辛いと思うのか、である。

 

 自分の好きなことばかりやってきた人は、そのバランス感覚がない。社会の中でいかに自我を通せるかということしか考えてない。もちろん一方で、何でもかんでも社会に言われたことを受け入れていては、いわゆる社畜になってしまうのだが。

 

学歴を重視するのは一定の合理性がある

 

 そうなると、やっぱり就活の場で、学歴をある程度重視する意味は明らかである。大学受験は、仕事にちょっと近いから。

 

 これが大企業になると、有象無象の就活生がめちゃくちゃくに応募してくるから、学歴フィルターを設けるのもわりと合理的である。もちろん学歴フィルター一辺倒では、多様な人材を受け入れようとしない企業態勢に疑問は感じるが、そのフィルターを設けること自体は、全く悪いとは思わない。

 

経験を重視することの危険性

 

 では仮に、学歴偏重を辞めたところで、今まで両親たちに守られて食わされてきたに過ぎない就活生の何処を見ればいいのだろうか。

 

 留学等でめっちゃ頑張りましたって言われても、前述の通り、そりゃ好きなことで頑張れるのは当たり前。だいたい経験なんて、いくらでも嘘つけるじゃないか。いやむしろ学歴偏重を辞めてしまえば、ほとんどの人にとって就活はよりハードになるかもしれない。

 

 なぜなら学歴以外の経験という要素で、目立った客観的な実績を出さないといけないから。たとえばプログラミング大会で優勝しましたとか、発展途上国にいってボランティアしてきましたとか。でもそれってほとんどの人が、かなりのリソースと両親の協力・理解がないと、達成できないよね。たぶんMARCH・関関同立レベルの大学に合格する方が簡単。

 

 そそうなると、ますます生まれ育った環境による格差が広がるんじゃないか。

 

学歴偏重はわりとフェアである

 

 以上のように、採用者側からしても、就活生側からしても、学歴社会は現時点では割とフェアだと言えそうだ。ま、学歴だけを重視しても、予備校等で言われるがまま勉強してきただけの思考力ゼロな人もいるだろうけど。

 それに学歴を通して、社会で重要なコミュニケーション能力は測れるのかと言われると、そうではないのだが。