しげログ

元ひきこもりなのにヨーロッパで生活している元ひきこもリーマン

【雑記】"高校中退するなんて、人生そんな甘くないぞ"

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 高校が嫌なら転校すればいいし、それでも辛かったら中退してしまえばよい。と、唐突に始まったが、なんか色々と考え事をしていたら何でもいいから書き殴りたくなった。

 

 "高校中退"。ハッキリいってそんなことは、今後の人生においてほんの些細な出来事である。人生にはもっとすごい出来事がたくさんある。しかし周りの大人たちは絶対にこういうだろう。

 

「中退するなんて、そんな人生甘くないぞ」

 

 こういう人、ほんと嫌いである。確かに人生は甘くない。だからといって、そこでいう"お前の人生"と"ぼくの人生"って、一緒なん?いや、まったく違うじゃねぇか、と。生きている時代も環境も思想も知能指数も感受性も、毎日歩く道も出会う人々も、好きな人も嫌いな人も、何から何まで生きている条件がまったく違う。簡略化してお前の人生と一緒くたにすんな。

 

 だいたい、そういっているヤツは高校を中退したのだろうか。高校を中退した結果、それが原因で辛酸を舐めたという経験があるんだったら、そう言う心情もわからんでもない。しかし、そういう人に限って中退したこともない。ないくせに、なんで中退した人生が甘くないと決めるつけることができるのか。

 

 高校に通い続ければ通い続けた人生があり、転校すれば転校した人生があり、中退すれば中退した人生がある。中退をすると、確かに一般的な高校生と比べると苦労する部分もあるが、絶対になんとかなる。死なない限り、人生は続く。人生が続く限り、何かしら生きる術はある。

 

 ぼくは、高2の夏に中退した。

 

 さらにひどいことに、その後3年間もひきこもっていた。中卒中退ひきニート。経歴でいったら、もうボロボロである。まさに底辺である。それこそ"人生甘くないぞオジサン"に、7時間くらいぶっ続けで説教されたこともある。さらに当時わりと好きだった女性に、"高卒は人として当たり前のことでしょう?"と、人でなしと言わんばかりの人格否定をされたこともある。いまなら、"じゃあ高卒は人としてちゃんとしてるのか"と反論できるが、当時は周りのこうした反応のせいで、ほんとに人生オワタと思っていた。

 

 しかし紆余曲折を経て、現在は平凡な会社員をしている。有給は全然とれるし、給料も平均レベルである。可愛くて優しい女性とも巡り会い、結婚もできた。まぁ、この”会社員”や”結婚”が、誰しもの人生にとって必ずしも正解であるのかは疑問を感じるところではあるが、それはそれとして。

 

 それに、生きていること自体に絶望したことはあるが、高校を中退したことに後悔したことは一切ない。反対にいえば、それくらい一般的な高校生活というのが、ぼくにとっては苦しかったともいえる。むしろ高校を中退からこそ、気づけたことや考えたことは間違いなくたくさんある。だから辞めて良かったとすら思う。

 

 数年前に"人生甘くないぞオジサン"に洗脳されるレベルで長時間の説教をうけたぼくが、いま感じていること。"なんだよビビらせやがって・・・"である。やっぱ自分と他人の人生って、ちゃうねんなぁ〜っと。

 

 確かに人生は甘くない。しかしお前の知ったこっちゃない。ただそれだけである。

 

 たまに腐るのもいいけど、他人の意見やアドバイスとやらに振り回されすぎず、自分の価値観を信じる。そしてゆっくりでもいいから、半歩でも進む。それで良い。