しげログ

元ひきこもりなのにヨーロッパで生活している元ひきこもリーマン

ぼくのひきこもり体験談。ひきこもりはサナギである。

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(※サムネイル用写真。近所の湖にて)

 

 "ひきこもり"というと社会問題の一つと感じられるであろうが、一概に悪いこととはいえない。ひきこもりとは、ある意味では更なる進化に繋がる"さなぎ"のようなものともいえる。

 

 ぼくは約3年間ほどのひきこもり経験がある。親族には迷惑や心配をかけたが、今となっては、ひきこもっていて良かったと思う。それどころか、あの時にひきこもることができなかったら、色々と取り返しがつかない事態となってしまい、この世から居なくなっていたのでは、とすら思う。

 

 それくらいぼくにとっては重要な期間であった。以下は、ぼくのひきこもり経験をざっくりと時期別に説明してみる。

 

 一言にひきこもっていた、といっても、もちろん苦しい思いをしていた時期もあれど、わりとエンジョイしていたときもある。後者の時期は、ほんとうに楽しかった。30歳を過ぎた社会人になった今でもふと、またひきこもりてぇなと思うことがある。

 

【エンジョイ期】:2010年 19歳 本格的にひきこもり

 

 この時期は、ぼく自身が"ひきこもり"という自覚はなかった。いぇーい!自由な時間! BAN・ZAI!というくらいの感覚だった。ひきこもってすぐに、ネットの世界に出会った。これまでは、家と高校だけがぼくの世界だったが、ネットにより一気に世界が広がったのだ。

 

 ゲームにブログにニコニコ動画。このころのニコニコ動画は本当に楽しかったなぁ・・・(遠い目)

 

【絶望期】:2011年 20歳 最も暗い時期

 

 この頃が最も苦しかった時期である。

 

 ネット世界との出会いで、色々な知識や世界にふれて、どうやらぼくはかなりの無知であることに気付いた。だから、たったの1年半くらいで書籍を800冊ほど読破した。空っぽだった頭の中に、ネット世界や書籍800冊分の概念や思想が流れ込んできて、楽しい側面はあったけど、家庭環境による教育格差や不平等に気づいてしまう苦しみがあった。鬱病の母、ほぼ老衰した義父、ひきこもりのバカ息子という歪な家庭環境に自分が居ることに気づく苦しみ。

 

 それでも誰も風穴を開けれない封鎖的な家庭環境。この家に一歩踏み入れると霊力の無い人ですらも、負のエネルギーが漂うのを感じるほど、えげつない状況だったかと思う。この状況を放置する社会への憎悪も高まった。もちろん取り替えが効かないほどバカな自分も気持ち悪かった。毎夜のように、抑えきれない憎悪感から、のたうち回って慟哭した。

 

 しまいには母に警察を呼ばれて署に連行。補導等はなかったが、心療内科を紹介され通院することになる。ある意味では、ようやく家庭に風穴を開けることに成功したとも言える。

 

【回復期】:2012年 21歳 半歩ずつ進み始める

 

 心療内科に通うことになり、これまでの人生で初めての経験をすることになった。それは、"まともな大人"に関心を持ってもらって、対話してもらうということ。この場合はカウンセラーだった。1時間、場合によっては2時間も話を聞いてくれる。今日したこと、腹の立つこと、これまでの人生。色々と話した。そして、混沌とした感情に言葉を紡ぎはじめることができた。この頃にブログも本格的に始めた。

 

 いつしかぼくは、"大学へ進学してやり直したい"という気持ちを抱き始めたのだ。そして、これもまた紆余曲折があったが、学費を稼ぐためにバイトを始めることに成功。脱ヒッキーに至ったわけである。

 

おわりに

 

以上、だいたい3つに時期を分けてみた。